時代小説に登場する うなぎ

移転しました。

池波正太郎 「鬼平犯科帳

 

今日は私の好きな時代小説に登場するうなぎについて御紹介します。

鬼平(主人公は実在の人物、長谷川平蔵1745~1795)では、グルメで知られた作家、池波正太郎が江戸の食べ物を様々、作中に書いている。一番良く登場するのが「五鉄」の軍鶏鍋。うなぎ蒲焼はほとんど出てこない。

そもそも、蒲焼きという料理方法が考案される江戸中期まではうなぎという魚は美味しい食べ物ではなかったそうである。

その当時は、うなぎを丸のまま焼いだけ。ただ精がつくというので肉体労働者、職人の安直な食べ物であったのだろう。

それが背開きにして、串を打ち、蒸してあぶらを落として柔らかくしたのを、タレをつけて焼き上げるという手の込んだ料理に変化した。1700年代後半に大変な創意工夫がされたのだ。池波正太郎は「鰻というものが、こんなにおいしいものとは知らなかった。」と作中の人物に言わせている。

鬼平の時代にうなぎの食べ方に変化が出てきた様子がわかる。

しかし、未だうなぎは辻売り、屋台の程度の食べ物で、ちゃんとした料理屋で食べるものではなかったようである。うなぎが料理屋で食べるまでに格が上がり敷居が少し高くなったのはもう少し後になっての事のようである。

こんなに美味しい食べ物を考えてくれた江戸中期の庶民はきっと、現代のうなぎ屋さんの敷居の高さに驚いている事であろう。

                             ~ しょうゆや 社長 ~